【ストーカー 3日目の逆襲】これで終わりなの？｜映画レビュー

1.サム役のマーク・メンチャカの演技

この映画の一番素晴らしいところは、サム役のマーク・メンチャカの演技だと思う。
マジで気持ち悪いし、怖すぎる。

きっかけはジェシカがサムの車を追い抜いたこと。
そこから執拗に煽られる。
近年だとリアルにありそうなシチュエーション。
車が離れて終わったかと思ったら、ガソリンスタンドで同じ車が横切る。
ここからマジで恐怖。
次の日、宿泊したモーテルから出発する時に「俺のこと、分かるか？」と声をかけてくる。

いや、わかるかいっ！
そして、急に昨日のことを言い訳してくる。
気持ち悪い。

その後、ジェシカが山道を走行していると、車が一台道の真ん中で停車している。
まさか…と思っていたら、そこにいたのは案の定サム。

こわっ！

ジェシカが人を呼んでくると言っても、まずは車を動かすのを手伝ってくれの一点張り。
さすがにジェシカも怖くなって、サムを置いて車を走らせる。

その夜、休憩するために公園の駐車場に立ち寄るジェシカ。
奥のトイレには車が2台。

ここのカメラワークも恐怖を引き立てる。
焦点を手前と奥とにずらすやつ。
サムの車が止まってるのかと思った。

ジェシカが一服しながら母親に電話をしていると、車が一台入ってくる。
サムの車だ。

ここ、めちゃくちゃ怖い。

すかさず電話を切って出発するジェシカ。
しばらく車を走らせていると、山道の途中でハンドルが利かなくなり車道から外れてしまう。
車を降りて周りを確認すると、タイヤに切れ込みが。
そして、遠くから車のヘッドライトが近づいてくる。

怖い怖い怖い怖い！

捕まってしまったジェシカは山小屋に監禁される。

ここの山小屋でのサムはマジでキモい。
生理的に無理。

もうとにかくマーク・メンチャカの演技がすごい。
ジェシカ役のジュールス・ウィルコックスの体当たりの演技も素晴らしいけど、マーク・メンチャカの演技がキモこわすぎて霞む。

2.ドアの隙間から逃げるタイミングをうかがうシーン

ジェシカが監禁された部屋から何とか逃げ出し、入り口のドアから出ようとした時にサムが帰ってくる。
入り口脇の部屋に身を潜め、ドアの隙間から逃げるタイミングをうかがう。

このシーン、こっちまで心臓がバクバクするくらいの緊張感。
サムが振り返った時なんか、「バレるっ！」って思って目を細めてしまうくらいドキドキする。

3.まさかのラストに口があんぐり

内容はすごくシンプルなのに、とにかくドキドキする展開で思いのほかじっくり観れる映画。
が、ラストで急に拍子抜けする。

サムの車に隠れて乗り込んだジェシカがサムに襲い掛かる。
車は横転して、ジェシカは泥だらけに。

で、広場まで逃げてきたジェシカが、今度はサムの家族に電話をする。
復讐のつもりなのかもしれないけど、この辺から展開がよくわからない方向に。
電話をサムの方に投げ、「奥さんよ！」と笑うジェシカ。
「何やってるの？」と妻に聞かれたサムは、「ちょっとやることが」と意味不明の返し。

見合って見合って…はっけよいのこった！
みたいな感じで急にバトル開始。
最後はジェシカが勝って、救助のヘリが到着するような描写。
そして、映画終了。

えっ？
終わり？

4.映画の構成

映画の構成としては5章に分かれている。

• 第1章「THE ROAD（道）」
• 第2章「THE RIVER（川）」
• 第3章「THE RAIN（雨）」
• 第4章「THE NIGHT（夜）」
• 第5章「THE CLEANING（空き地）」

章のタイトルを出すタイミングがお洒落で好き。

5.映画「追撃車」との関係

「ストーカー 3日目の逆襲」のオリジナル映画がスウェーデンで製作された「追撃車」。
オリジナルの方は観たことないけど、リメイクの方が評価は高いっぽい。